1. 2024年度建築奨学生研修旅行の実施

2024年度建築奨学生研修旅行の実施

本財団建築奨学金事業に付随して、以下のとおり、2024年度建築奨学生研修旅行が実施されました。

・参加者 2024年度建築奨学生8名

・訪問地 トルコ

・期間 2025年3月4日~15日

・建築奨学生による企画趣旨
トルコは、古代から現代に至るまで多様な建築様式と文化的背景を持つ国であり、地中海世界と中東の交差点に位置するその地理的特性から、東西の建築文化が融合してきた特異な場所である。
伝統的なトルコ建築の代表例として、オスマン帝国時代の壮麗な建築群を挙げることができる。イスタンブールのスルタンアフメト・モスク(ブルーモスク)やアヤソフィアのような歴史的建築は、宗教的・文化的背景を反映しつつ、建築技術と美的価値が融合したものであり、地域の気候や文化に根差した土着性を備えている。またイスタンブールの旧市街のように、歴史的景観を保ちながらも、都市の成長と共に変化してきた都市環境の在り方にも学ぶべきところは大きい。トルコにおける現代建築は、土着的な歴史性と現代的な技術革新が交錯する場であり、伝統的な建築遺産と現代的な都市開発がどのように共存しているかを考察することは、日本の建築や都市計画にも有益な示唆をもたらすであろう。
ル・コルビュジエ(1887-1965)が芸術家そして建築家として出発することとなった「東方への旅」では、トルコ(当時オスマン帝国)での体験が多く書き記されている。それらは「都市と自然の調和」、「スケール/シンプリシティ」、「文化多様性による建築への影響」などの視点をル・コルビュジエに与え、その後の「輝く都市」、「モデュロール」、「インターナショナル・スタイル」など、彼のモダニズム建築の発展に重要な役割を果たした。この地域での視察はこれから建築を続けていく私たちにとって、ル・コルビュジエと同じように、建築に対する新たな視点や理解を深める貴重な機会となるのではないかと考える。

・旅程
3/4 東京・羽田空港発
3/5 イスタンブール着
3/6 イスタンブール
3/7 ブルサ
3/8 ブルサ、クシャダス
3/9 エフェソス、パムッカレ
3/10 パムッカレ、コンヤ、カッパドキア
3/11 カッパドキア
3/12 カッパドキア、アンカラ
3/13 イスタンブール
3/14 イスタンブール発
3/15 東京・羽田空港着

・主な視察先


アヤソフィア(イスタンブール)


スルタンアフメト・モスク(イスタンブール)


スレイマニエ・モスク(イスタンブール)


イスタンブール現代美術館(イスタンブール)

ペルガモン遺跡


ジュマルクズック村


エフェソス遺跡


カッパドキア周辺